コメダ珈琲店のビジネスモデル

・現在主流のカフェと逆の発想が成功の秘密

コメダ珈琲店は全国展開されている喫茶店で、郊外に行くと必ずといってよいほど見かけますね。
どのコメダ珈琲店も繁盛している印象があり、売上も順調であることがわかりますが、コメダ珈琲店は一般的なカフェ事業とはかなり異なるコンセプトのもと、独自の運営を行っているんです。

カフェ事業の定説として、コーヒーを始めとする商品単価が低いため、お客様の回転率をいかに上げるかがカフェ運営のポイントと考えられています。
しかしコメダ珈琲店ではこうした発想は一切なく、長居するお客様こそ大歓迎というスタイルをとっているのが特徴です。

どうしてこうした発想に行き着くのかというと、喫茶店の本質を重視しているから。
そもそも喫茶店は、ゆっくりと1人の時間を楽しむために訪れる人が多く、読書をしたり新聞を読んだり、環境を変えて勉強や仕事をしたいという人が訪れます。

こうした人達はどうしても滞在時間が長くなりますが、そこで居心地がよいと思ってもらえれば、リピーターとして通い続けてくれる。
こうした昔ながらの喫茶店運営の考え方を取り入れている点が、長居大歓迎につながっているそうです。

また、利益率を上げるためにメニューを最小限に抑え、コスト削減に努めている点もポイント。
コメダ珈琲店のメニューは20数種類と、チェーン展開されている喫茶店の中では少なめ。
しかし喫茶店に通うお客様は、いろいろなメニューをオーダーするよりも、決まったメニューを何度も利用する人が多いので、顧客のニーズとずれることなくコスト削減を実現しています。

・利用者のターゲットを2つに絞っている

コメダ珈琲店の目玉メニューといえば、やはり「モーニング」。
コーヒーをはじめとするドリンクに、トーストなどの軽食がついてかなりの低価格で提供しているモーニングは、サラリーマンだけではなく家族連れも多く利用しています。

モーニングの時間帯は実に多様な客層が来店しますが、モーニングが終わった11:30以降は、ランチメニューなどは取り入れず、一般のメニューのみの展開です。
コーヒーも決して高くはありませんが、手軽に飲めるカフェのコーヒーと比べると少し割高。
ドリンクとデザートのセットメニューなども用意しないというシンプルさです。
けれど、落ち着いて長居できることを考えれば、高いと思わず納得してオーダーできるのもコメダ的戦略といえるでしょう。

店舗によっては、サンドイッチのきゅうりを外してほしいなど、メニューのカスタマイズをサービスとして提供してくれる、とにかく顧客の居心地の良さを追求している点が、ほかにはないコメダ珈琲店成功の大きなポイントなのではないかと思います。