LCCのピーチ・アビエーションを成功に導いたビジネスモデル

・格安で世界を旅することを実現させた「LCC」

「ピーチ」は、国内初のLCC(格安航空会社)で、関西を拠点として航空事業を展開しています。
「LCC」とは、これまでよりもはるかに低価格で飛行機を利用することができるサービスを提供している航空会社の総称で、ピーチのほかには「ソラシドエア」や「バニラエア」など、現在では数多くの航空会社があります。

LCC全体のビジネスモデルは、あらゆる面でのコストを削減し、運賃を抑えようというものです。
飛行機のシートもかなり狭いですし、キャビンアテンダントも少なく、機内食などのサービスを最小限にすることで、破格での空の旅を実現しています。

こうした中で、それぞれのLCCが個々のビジネスモデルを立てて、独自の運営で顧客獲得に尽力しているのですが、中でも「ピーチ」はほかのLCCと比較してかなり高い売上を出しているそうです。

・大成功を収めた日本初のLCCのビジネスモデルとは

ピーチの特筆すべき点は、やはりその航空料金の安さです。
あまりの安さに、事業の失敗を心配する声も少なくありませんでした。
しかし就航後2年も絶たないうちに累計登場数が300万人を超え、当初の計画よりも2ヶ月も早く目標を達成したのです。

ピーチが現段階で大成功しているのは、拠点を関西に置いたという点も大きく影響していると考えられます。
ピーチの運営方針として、「きちんと飛ぶ」ということを念頭に置いており、LCCだから欠航が多い、遅延が多いということがないよう、正確に飛行機を飛ばすことに尽力しています。

多くの航空会社では、1、2分であれば搭乗者の遅れを待ってくれるのですが、ピーチは1分たりとも待たずに離陸するので、使い慣れていない人にとってはサービスが悪いと感じてしまうケースが多かったようです。

しかし、コストパフォーマンスについての理解がある関西では、「1分も待ってくれないなんてサービスが悪い」と捉えるのではなく、「だから航空料金が安いのだ」と理解を示してくれ、早い段階で受け入れられたことは、大きなプラスポイントとなりました。

関空にLCC専用のターミナルができたということもピーチの成功を後追いしています。
空港の中心部からシャトルバスで5分と、決してアクセスのよいターミナルではありませんが、それでも専用ターミナルがあることは、LCCが成功する上で非常に重要な要素となります。

ピーチの成功に付随して、関空周りでは今まで閑散としていたエリアにコンビニやファーストフード店がオープンするなど、ピーチは経済効果にも大きな影響を与えています。
今後も手軽に空の旅を楽しめる消費者の味方として、さらに拠点を広げていっていただきたいですね。