ニトリが行っているビジネスモデル

・試行錯誤を続けながらビジネスモデルを確立

家具類の販売店として業界トップの業績を誇る「ニトリ」。
高品質の商品を低価格で提供することを確実に実現し、家具はもちろん雑貨類もニトリで購入しているという消費者は実に多いです。

ニトリは、消費者に自社製品が価格以上の価値がある商品だと感じてもらうことをコンセプトとし、さまざまな取り組みを行っています。
低価格で商品を提供するには、まずコストを下げることが重要になりますが、ニトリは製品素材や生産のほとんどをインドネシアを中心とした海外で行っており、コスト削減を実現。
また商品の輸入や搬送、販売などを下請け業者を使わずすべて自社で行っている点も、コスト削減の要因です。

ただ、海外で商品の生産や仕入れなどを行なうと、ニトリで取り扱っている商品全体とのバランスが取れなくなり、統一感が欠けてしまうというデメリットもあります。
しかし、実際にニトリの商品を見てみるとわかりますが、ニトリの商品はすべて統一感があり、どの商品を購入しても、ほかの商品とのバランスがよいのです。

これには、ニトリが長い期間海外の工場で製品の生産を行いながら、さまざまな知識やノウハウを得て、それを試行錯誤しながら運営してきた努力の成果です。
コストを下げながらもバランスのよい品揃えを行なうことで、全体の売上に大きく貢献しています。

そして、ニトリは商品の陳列を非常にわかりやすくしており、徹底した検品をスムーズに行えるよう予め配慮している点も、コストダウンに一役買っているようです。
商品をしっかり管理することで無駄な仕入れが必要なくなり、必要なものだけを仕入れることができます。
こうした検品についても自社で行うことで、さらなるコスト削減につながります。

・継続して購入できるものを意識的に揃える

家具というと、引っ越しや結婚などで新居を構える際に購入することが多いですが、こうした機会は人生の中でそう何回もあるわけではないので、こうした機会だけをターゲットとしていると、売上は思うように伸びません。

高級家具を売って効率よく売上を上げることも重要ですが、日々購入するリピートする製品を用意することで、売上がコンスタントに上がっていきます。
ニトリではタオル類から食器、クリスマスなどの季節商品など豊富な品揃えが特徴で、家具を買うわけではなくてもニトリで必要なものが常にある、という状態をキープできているのも、順調な売上を上げているポイントだといえるでしょう。

広い視点で経営を考えつつ、そのひとつひとつに丁寧に、真剣に取り組んでいる姿勢も、ニトリの経営を後押ししていると思います。
これからもさらに試行錯誤を行い、より順調な経営を期待したいですね。